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人生の半分くらいをSFに、半分くらいをスト魔女に捧ぐ人のブログ

【未確定情報】日本SF第1世代作家が昨年亡くなっていた?

 

 

結論から先に述べたい。

 

『日本SFの第1世代作家としてSFマガジンで活躍していた久野四郎が、昨年8月に(恐らく)亡くなったがSF界に一切周知されていない』事態が発生している可能性が高い、というものである。

久野四郎の名前については、昔からSFを読んでいた人には説明不要だろうが、大学生から20代くらいまでのSFファンで久野四郎のことを知っている人は非常に少ないと思うので、ひとまず数年前に私が某所に書いた記事を引用する。作者と作品を知っている方は■■■■■■■■■■■■まで読み飛ばしてください。

 

 

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 論争がこじれているところからは「読者」が去るという印象はよく語られるが、「書き手」がいなくなる可能性というのはあまり考慮されていない。その例(であるかも知れない人)として私は久野四郎を挙げたい。ただ久野四郎が誰かを説明するのは手間がかかりそうだ。困ったときの日下三蔵『日本SF全集・総解説』を引っ張り出してみる。

 

マチュア作家で印象に残るのは久野四郎。奇妙な味の作品の名手だが、ここに収めた「いなかった男」を含む『夢判断』(ハヤカワ文庫JAでは『砂上の影』と改題)しか著書がないため、あまり知られていないようなのが惜しい。

 

うむ。もっと知りたいなら原典にあたるしかないようである。それでは、ハヤカワSFシリーズ『夢判断』(1968)の表紙に描かれている著者プロフィールより一部抜粋。

 

1932年(昭和7年)東京に生れる。1956年(昭和31年)成蹊大学卒業後、サッポロビール株式会社に入社。現在は同社のPR誌『サッポロ』の責任編集者。1959年週刊読売の懸賞小説に、奇妙な味のファンタジーを書いて入選。1965年のSFマガジン1月号にSFの処女作『悪酔い』が掲載されたのを契機に、SFを書き続けることになる。巧みなストーリイ・テラーであるこの作者のSFは、強烈なサスペンスを含むスリリングな恐怖小説の味を持ち、その意味で彼独得(原文ママ)の世界を築いている。

 

 週刊読売の懸賞小説というのは特定できなかったが、SFマガジン1964年8月増刊号に未来の嗜好品を夢想するエッセイ記事「ヘロイノイド アルコール今昔・未来譚」を本名の浜口和夫名義で掲載しており(「悪酔い」も浜口和夫名義)、それ以来のSFマガジンとの付き合いになるようだ。

 『夢判断』のあとがきの書き出しは以下。

 

 自分が編集しているPR誌に掲載する福島さんの原稿を確保するために、交換に彼の編集するSFマガジンの穴埋め原稿を書くという不純きわまりない動機で書き出した短篇が福島さんの叱咤激励のおかげで、つもりつもって、とうとう一冊の本になってしまった。

 

 あとがきの中では、自身のSFの原体験について正統的なものではなかったと告白しつつ、江戸川乱歩香山滋や『一九八四年』に親しんできたことを述べ、こう結んでいる。

 

 自分の世界を創造できるという楽しみからいわば一種のリクリエーションとしても書き続けたフィクションだが、このようにまとめて一冊の本を世の中に送り出した以上、やはり今後も書きたい気になってくる。もっとマジメにやろう。むずかしいことばでいえば、早川書房の各位をはじめ諸先輩、諸兄姉の御指導御鞭撻のほどを、私流にいえば、福島さん、ケツをたたいて下さいな。

 

 ところが、次の短編集が刊行されることはなかった――という話をする前に、作品の中身を見ていこう。以下、すべて私が読んだ際のメモである。まず『夢判断』収録作。

 

「砂上の影」飛行機が砂漠に不時着し、死にかけていた男が手に入れた能力

「溶暗」超延命実験の検体となった老人の心に去来する、存在しないはずの記憶

「夢判断」夜寝るたびに原始時代に暮らしている自分を夢見る男。どちらが夢なのか?

「五分前」五分先の未来を視ることができると打ち明けた同僚。その能力は万能ではなく

「ワム」幼い娘がクリスマスプレゼントにねだったのは、聞いたことのない生き物だった

「悪酔い」酒場で悪酔いしてバーテンに絡む男の額には、奇妙な傷跡があった

「結婚エージェント」内向的な男が結婚エージェントに申し込んだ結果

「グルルンガ・ジダ」朝帰りした夫は、妻から一年経っていると告げられて

「上流階級」動物を狩り、粗末な小屋で暮らす男が恐れる“向こう側”にあるもの

「見える理由は・・・」二日酔いの頭で出社すると、死んだはずの同僚がいた

「再会」労働人口の3分の1が兵士である世界。クーデター容疑で拘束された軍人

「くり返し」小さな村の飲食店に辿り着くと、大勢の人が飲んだくれていた

「オー・マイパパ」交通事故に遭った父親がコピーと入れ替わっているかもしれない

「旅行案内」資金繰りに苦しんだ旅行会社は、催眠術を用いて客に旅行を疑似体験させる

「獏くらえ」酒場で知り合った女と寝るたびに、猟奇的で奇妙な悪夢にうなされる

「いなかった男」“失踪した夫を探して”という女の依頼で始まった調査が思わぬ方向に

「事故多発者」タクシーの乗客だった男の魂が、事故でタクシー運転手の体に入ってしまう

 

『夢判断』刊行後、短篇集に収録されず、SFマガジンに掲載されたきりになったのが下記の5作品。国会図書館は便利。

 

69年1月号「ガラスのわら人形」安アパートで起きたトラブル。祈祷師の恨みを買った住人たちを襲う惨劇

69年2月号 十秒間 学生の視点。赤ん坊の視点。流れていく体験はどれも一度経験したことのようで

69年5月号「悪夢は夜来る」家の格を守るため、弟とその交際相手を別れさせようとした男が交通事故に遭う

69年7月号「勇者の賞品」人間が住むのに理想的だが、なぜか誰も立ち入ろうとしない惑星の秘密

69年10月増刊号「シャッター・チャンス」自殺や事故など、決定的瞬間にたびたび巡り合う能力をもったカメラマン

 

最もジャンルSF寄りの作品は「勇者の賞品」で、この作品は山本弘がブログ等で大々的に取り上げている(ただしストーリーの8割くらいをバラしているので未読の人は要注意)。

これ以外は、宇宙人やアンドロイドといったSF要素を含むものはありつつも「奇妙な味」に分類されるホラーテイストの作品が圧倒的に多い。「砂上の影」「五分前」あたりは途中でオチまで割れるが文章の端正さと緊張感で最後まで読ませる。「旅行案内」「勇者の賞品」「シャッター・チャンス」あたりも良い。走馬燈的というかアイデンティティが溶け去っていく茫洋たる悪夢感が特徴。

 

SFマガジン登場は全20回(久野四郎名義小説が17本、浜口和夫名義小説が2本、浜口和夫名義エッセイが1本)。64年から69年なので、6年にわたってSFマガジンに登場し続けた。そして、短編集刊行後は、従来よりも長い作品が増え、むしろより精力的な活動をしていた。その彼が突然ふつりと作品発表を途絶えさせてしまった。なぜだろうか?

 

ひとつの分かりやすい説明は、福島正実がいなくなったことである。上記のあとがきにも見て取れるように、久野四郎福島正実と距離が近かった。その福島正実が、SFマガジン69年2月号にあの「覆面座談会」を掲載して作家からの反発を招き、69年8月号で責任を取って退社するという事態を起こしたのである。繋がりの強い編集者の退社で、作品執筆のモチベーションが薄れたというのはいかにもありそうだ。

 

一方で、覆面座談会で交わされた言説が、久野四郎にとって決して耳心地がよいものでなかったことも事実だろう。覆面座談会では、「A」というメンバー(確定できないが恐らく福島正実)が作品を評価する一方、「C」というメンバー(確定できないが、石川喬司伊藤典夫のどっちかだと思う)が久野四郎に関して以下のように述べている。

 

 ぼくはあまり真面目に読んでないが、後書きを読んで腹が立っちゃったから、偏見があるかもしれない

作品はまあ、確かに見所がなくはないけど……こんな後書きを書く人は、はっきりいって嫌いだな

古風なことをいうようだけど、SFを書く必然性があるかないかということだけどね、SF作家は、SFでしか書けないものを実感として感じ、相手にそれを感じさせなけりゃいけない。それが感じられないようなSFはSFじゃない

石原藤夫の項で)

ぼくは、石原藤夫はとうにアマチュアの域を脱してると思うな。久野四郎あたりよりは遥かに上質だよ

 

皆さん、「SFじゃない」という伝家の宝刀が使われるたびに作家へ大きな遺恨を残してきたのはご存知ですよね。いちいち作家名は挙げませんが。『夢判断』(1968)と、その文庫化『砂上の影』(1975)に収録されている作品は同じ。ただし、『夢判断』に収録されていた「あとがき」は『砂上の影』では削られていて、『砂上の影』はあとがきのない本文のみの一冊になっている。もちろん状況の変化はあっただろうが、新しいあとがきも入っていないというのも色々邪推しそうになる。

 

覆面座談会で一定の長さをもって論じられているのは、久野四郎がそれだけ日本SFの“新人”として注目されていたことの証左でもあろう。覆面座談会で、一節を立てて語られた作家は、星新一小松左京筒井康隆眉村卓光瀬龍豊田有恒久野四郎石原藤夫平井和正のみ。久野四郎を除いては、今でもSF界で名前の通じるビッグネームである。この時点で既にSF界に確固たる地位を築いていた者や、専業作家であった者も多かった。彼らはなんと言われようとSFを書くしかなかったし、書き続けることができた。ただ、兼業作家であり新人だった書き手、福島正実という近しい編集者を失ってしまった久野四郎はどうだっただろうか。

 

もしかしたら、久野四郎が筆を折ったのは、福島正実の去就や覆面座談会事件とは一切関係なく、本業が忙しくなったとかSFへの関心が薄くなったとか、それだけだったのかもしれない。だがいずれにせよ久野四郎は、69年にSF界を去ったのち、戻っていない。本業の方では、『ビールうんちく読本 ニガ味にこだわる男たちへの48話』(88年刊行、92年文庫化)を発表しているが。

 

 SFマガジン1969年8月号掲載の福島正実の退社宣言でもある「それでは一応さようなら」には、覆面座談会事件からの一連の流れを意識してこう書かれている。

 

批評を嫌い、批判されたことを恨み、未練がましくあげつらう精神で、いったいなぜ、SFが書けるか。多少の批評をされたからというので、気落ちして書けなくなるような、そんな女々しい人間は、もともとものを書くべきではなかった。そんな弱々しい作家は、消えてなくなればいいのです。

 

恐らく、ここで福島正実が怒りを向けていた相手は、久野四郎ではなかろう。編集部に抗議文を送りつけた小松左京とか、後に長い論争を繰り広げることになった豊田有恒あたりだったのかもしれない。彼らはSF界を去らなかった。覆面座談会で一項目を設けられた作家は、その後も一定期間はSFを書き続けた。すぐさま“消えてなくなる”作家はいなかった。ただ一人、久野四郎を除いては。

 

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本題である。

こういう記事を書いてしばらくのち、すなわち先週末、もしかしたら本名でググったら他の作品を書いているのではないか、と気づいて、「浜口和夫」「濱口和夫」で検索、さらに出身大学を入れたらもっと正確なデータが出せるだろうと「濱口和夫 成蹊」で検索していたところ、成蹊大学のOB会のHPが引っかかった。それは訃報欄だった。

 

https://www.seikei-alumnet.jp/obituary/h30/20180816-02.html

濱口 和夫氏(政経5回.S31年・高3回・尋3回)は平成30年8月13日に逝去されました。

ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

S31年というのは恐らく大学卒業年だろう。昭和31年卒業というのは久野四郎の卒業年と合致する。成蹊大学を昭和31年に卒業した同名の人物がいるのでなければ、この訃報は久野四郎のものではないだろうか? 昭和7年生まれだと2018年に86歳。何があってもおかしくない年齢だ。

 

このページがヒットしたのちに私のとった行動は、2018年8月以降のSFマガジンの「編集後記」や「てれぽーと/エトセトラ」欄を確認することと(ファンダムの有名人等の訃報もここに載ることが多い)、WEBやtwitterで「久野四郎」「浜口和夫」「濱口和夫」で検索をかけまくることだった。

 

その結果、久野四郎に翻訳作品があることとか(アンリ・フェルヴァル『計画破壊網』1963年)、1968年3月30日「広告美術」55号に「かつぎ屋」(おそらく未再録作品)が収録されていることなど新情報を発見したが、2010年に柴野拓美追悼ファンジン『塵もつもれば星となる 追憶の柴野拓美』に寄稿していた、というコメント以降の消息はつかめなかった。亡くなったという情報も見つけられなかった。

 

もしこの訃報に書かれていたのが久野四郎本人であれば、星新一小松左京筒井康隆眉村卓光瀬龍豊田有恒石原藤夫平井和正と並べて論じられた日本SF第1世代の作家であり、時代の貴重な証言者でもあっただろう才能を、日本SF界は知らぬ間に失い、追悼特集をするどころかそこから8カ月近くその死を認知さえしていなかった、ということになる。そうだとすればあまりに悲しい事態ではないだろうか。

 

私に調査がついたのはここまでであり、確定情報は得られなかった。どうしても5年前の風見潤のことが思い出されてしまい、状況をご報告することにした。古くからファンダムにいる方か、出版社やプロの方で、久野四郎への連絡ができる方がいらっしゃればどうかその消息を確かめて頂き、万一のことがあれば早川書房にご連絡頂けないだろうか。訃報が全くの別人であり、私の早とちりであった場合は、訂正しお詫びいたします。そうなることを祈っています。

 

【一同驚愕】11年目の『年刊日本SF傑作選』に未収録の意外な作家とは

 

 

これまでこのシリーズに収録してきた短編作品は、本書で百八十作を超えた。このペースだと、来年の巻で二百作を突破するのは確実だと思われるが、編者からすると、その中にお名前があって然るべきなのに、該当年度に適当な長さの短編作品がなかった、というタイミングの問題で、登場の機会を逸してしまっている作家が、まだたくさんおられる。特に、ここ四、五年でデビューしてきた新鋭作家については、一人でも多くの作品を年刊に入れておきたいと思っている。

 

上述したのは『プロジェクト:シャーロック』の日下三蔵による「後記」から。一年ごとの年刊傑作選のラインナップのみならず、シリーズ全体で欠ける作家が減らせるようにという配慮がうかがえる。新人への視線も熱く、今年の年刊傑作選には、新ハヤカワSFコンテストや創元SF短編賞やカクヨムやゲンロンSF創作講座などからデビューした作家の作品が増えることだろう。ただ、その一方で、

 

編集の笠原さんから、《年刊日本SF傑作選》十冊目にして牧野修作品初収録と聞いて絶句してしまった。てっきり何度か作品をいただいているものと思いこんでいました。巻末の推薦作リストを見ると河出文庫『NOVA』に寄稿した作品が二本あがっているが、基本的に『NOVA』の作品は採るのを遠慮していたから仕方がない。ここ数年、小説誌に発表された短編を確認してみたが、ホラー寄りの作品がメインであり、作品をいただく機会を逸し続けていたようだ。

 

これは『行き先は特異点』収録の、牧野修「電波の武者」につけられた日下三蔵による紹介文からの一節。大森望日下三蔵の編者二人が、「どの作家が年刊傑作選に収録されているか、いないか」を完全に把握しているという訳でもないようである。このままではどこかで年刊日本SF傑作選が途絶した時、意図せず最後まで入れ忘れていた作家が出て来るのではないか。

 

という訳で本稿の目的は、短編SFを発表しているジャンル作家だが(恐らくは)タイミングの問題で収録されていない人を改めてピックアップして短編を紹介することである。あと何年続くか分からない年刊傑作選に、この人がまだ入っていないということを編者に知らせるアラートとしての機能も果たせればと思っている。また(たぶん編まれるであろう、編まれてほしい)2010年代日本SFベスト集成を編む場合の参考になれば幸いである。ただ、11年分の全短編小説(特に中間小説誌ぜんぶ)をさらうのは事実上不可能なので、今回、取り上げるのは

 

条件1●『年刊日本SF傑作選』刊行開始よりもデビューが古く

条件2●当該期間に「SF」と名の付く雑誌や書籍など(商業誌かつ紙媒体)に3回以上短編小説を寄稿している。

――この二つを条件としている。

 

条件1については、最近のデビュー作家であればいずれ収録される機会もあるだろう、ということである。年刊傑作選巻末の推薦作リストは、とりわけ新人の作品をかなりの部分まで網羅している。

条件2については、極めて保守的な定義にも聞こえるが、単に境界領域や中間小説誌全域まで範囲を広げると私の書く労力が増えて記事を書ききれなくなる、というだけの理由で他意はない。当該期間に「SF」と名の付いた雑誌や書籍となると、主に「SFマガジン」「SFJapan」「NOVA 書き下ろし日本SFコレクション」「SF宝石」及び書下ろし系のアンソロジー、あとは雑誌の「SF特集」になる感じ。この適用により、『日本SF短編50』や『日本SF全集』や『ゼロ年代日本SFベスト集成』に収録されている作家に限っても、大槻ケンヂ乙一菊地秀行佐藤哲也椎名誠篠田節子清水義範古川日出男らの作品が取り上げられなくなる(上記に挙げた作家勢は年刊日本SF傑作選に現在未収録である)。この辺りの作家の短編についてはまたいつか元気のある時に。

 

というわけで、いってみましょう。

 

小松左京賞・日本SF新人賞デビュー系作家

ゼロ年代を代表する2つのSF系新人賞に小松左京賞(2000~2009)と日本SF新人賞(1999~2009)がある。

小松左京賞デビュー作家(かつ年刊傑作選開始以前デビュー)でいえば、平谷美樹、上田早夕里は収録済。未収録の作家でも町井登志夫機本伸司ほかは主に長編での活躍。おおむね傑作選の取りこぼしは無いと思われる。

注意すべきは日本SF新人賞。三雲岳斗、八杉将司、北國浩二樺山三英、黒葉雅人は収録済み。年刊傑作選開始前デビューで、期間内に「SF」の名の付く商業紙媒体に短編を発表しており未収録なのは、青木和、杉本蓮、吉川良太郎谷口裕貴、井上剛、三島浩司、片理誠、タタツシンイチ、木立嶺、中里友香。これらのメンバーのSF短編発表の場は基本的に『SFJapan』だった。

メインの発表媒体である『SFJapan』が2011年春号をもって休刊したために、短編発表の機会が激減したことが未収録の大きな理由だろう。休刊号には受賞者の作品が大量に掲載されている。実は、収録済みと述べた作家勢……三雲岳斗、八杉将司、北國浩二樺山三英、黒葉雅人も、年刊傑作選収録作は全て『SFJapan』初出。従って、2011年を最後に日本SF新人賞受賞作家の年刊傑作選収録は一本もない。

SF Japan 2011 SPRING

SF Japan 2011 SPRING

 

 

未収録作家のうち、2011年以降、「SF」と名のつく商業誌に執筆があったのは

吉川良太郎――『SFJack』書き下ろし「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」

●三島浩司――『SFマガジン』2012年4月号「懸崖の好い人」

●片理誠――『SFマガジン』2012年2月号「不思議の日のルーシー」

               2014年6月号「たとえ世界が変わっても」

恐らくこれですべてとなる。

順に、「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」は『SFJapan』休刊号「逝きし世のための輪舞(ロンド)」の改題改稿。フランス革命期をスタートにしつつ壮大なスケールで語る猫の物語。

「懸崖の好い人」はひとつまみのファンタジーを加えた盆栽小説。分かりやすいSF性の高さという意味では同じ作者の『第53回日本SF大会なつこん記念アンソロジー 夏色の想像力』収録「焼き付ける夏を」の方が僅かに上か。

「不思議の日のルーシー」「たとえ世界が変わっても」はそれぞれパラレルワールド、ロボットの登場する50年代黄金期SFをしのばせるジュブナイル(後者はジュブナイル特集に収録)。

 

電子雑誌に目を広げると、「月刊アレ!!」2013年2月号が、創立50周年を迎える日本SF作家クラブとコラボし、「消失」をテーマに、【青木和、伊野隆之、井上剛、浦浜圭一郎、樺山三英、黒葉雅人、坂本康宏、杉本蓮、谷口裕貴、片理誠、町井登志夫、八杉将司、山口優】の短編を収録している。が、この本、既に購入できなくなっており、作品タイトルが確認できるだけで中身を読む手立てはもはや存在しない。年刊傑作選にこの特集から選ばれた作品もなかったので、一本も読む方法はない。6年も経ったことだし、SF Prologue Waveに特集丸ごと無料公開しても怒られないのではないだろうか。

 

さて、話題に出たSF Prologue Wave 日本SF作家クラブ公認ネットマガジンには、小松左京賞・日本SF新人賞受賞作家を含むSF作家の無料短編が数多く掲載されているうえに、そういった作家たちが電子書店で販売している短編のPRも行われている。興味のある方は覗いてほしい。リンクはおいてあるのに電子書店が消失してしまって既に読むことができない作品もあったりするのだが……(2012年発表の片理誠「キングのアザーサイド」、伊野隆之「夜明けへの帰還」、八杉将司「宇宙の終わりの嘘つき少年」。Amazonに移したらどうか)。SF Prologue Waveからは、林譲治ショートショート「ある欠陥物件に関する関係者への聞き取り調査」が年刊傑作選に収録されている。

 

ここからは作家一人ずつ。

 

ゼロ年代前半に年刊傑作選があったらポンポン入っていただろうが、まず作品発表数が激減しているので、未収録になっている。

収録範囲では、SFマガジン初出である『南極点のピアピア動画』連作の他には、国際リニアコライダーアンソロジー『ILC/TOHOKU』に「新しい塔からの眺め」が書き下ろされている。アメリカ人物理学者エレン・ベーカー先生(バズったの2016年だけど既に懐かしいですね……)の目を通して描かれる、細部のリアリティに富んだILC稼働後の未来。

ILC/TOHOKU

ILC/TOHOKU

 

 

ゼロ年代前半に年刊傑作選があったら常連だっただろう作家その2。というか、ゼロ年代日本SFベスト集成に入っていないのが不思議。SFマガジン読者賞受賞作の共産圏共感覚超能力姉妹幻想SF「奇跡の石」(『SFマガジン』2000年2月号初出、電子書籍エンゼルフレンチ』収録)を入れるべきだった。

さて、当該期間には『NOVA1』初出の探査機SF「エンゼルフレンチ」が星雲賞候補になるなど話題になったが、個人的には某海外奇想作家のアレを植物にしたような「植物標本集(ハーバリウム)」(『NOVA7』)の方を推す。ちなみに、『NOVA』からは基本的に収録しないという不文律はあるが、実は12冊出た段階で4回(津原泰水「五色の舟」、谷甲州メデューサ複合体」、円城塔「φ」、高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」)が収録されており、3冊に1冊は収録されている計算になる。

『NOVA』からはあまり収録しないという前提でも、SFマガジン07年2月号「口紅桜」(SFマガジン読者賞2位)、SFマガジン08年5月号「トキノフウセンカズラ」(SFマガジン読者賞3位)の植物ファンタジー2本のどっちかは入ってよかったのでは。

ただし、電子短篇集が3冊出された2018年には、電子で3作品が発表されており、「スヴァールバルからの便り」(『植物標本集(ハーバリウム)』収録)、「SHS88」(『エンゼルフレンチ』収録)、「ZOO」(日本ファンタジーノベル小説大賞受賞作家のアンソロジー『万象』収録)、今年こそ収録されるかもしれない。

エンゼルフレンチ

エンゼルフレンチ

 

 

90年代に年刊傑作選があったら(以下略)。

独立した短編で条件に合うのは『NOVA3』掲載の「想い出の家」、SFマガジン掲載2010年2月号「気まぐれな宇宙にて」のみで、プラスSFマガジン掲載の「星界の断章」3編があるのでやや規定違反だがリストに入れた。ただし、年刊傑作選にクオリティの面で推すならば(「想い出の家」を含む幾つかの作品の要素をリミックスしたような)近未来自動運転ショートショート「姉さん」だろうか。

この「姉さん」が収録されている『人工知能の見る夢は AIショートショート集』は人工知能学会誌掲載の作品を集めた、日本SF作家クラブのかかわったアンソロジーである。

収録作家は、若木未生、忍澤勉、宮内悠介、森深紅、渡邊利道森岡浩之、図子慧、矢崎存美江坂遊田中啓文林譲治山口優井上雅彦、橋元淳一郎、堀晃、山之口洋高井信新井素子高野史緒、三島浩司、神坂一かんべむさし森下一仁樺山三英

という、SFを長く読んでいる人ほど、世代も出自もバラバラでバラエティ豊かな顔ぶれに驚くであろう作品集となっている。

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

 

 

筒井康隆の「日本SFベスト集成」には入っていたが、大森・日下版には現在未収録。現在では長編・中編(それも長めの)型作家であり、長い方がパワーを発揮できることが響いたか。NOVAシリーズに載った3編のうち「バットランド」(『NOVA4』)、「雲の中の悪魔」(『NOVA8』)はともに短編というより中編である。この2編含め、当該期間の中短編はおおむね『バットランド』に収録されている。『NOVA+ 屍者たちの帝国』初出の「石に漱ぎて滅びなば」は『銀の弾丸』に収録。クオリティで言えば「バットランド」だが、軽妙な中国大返しネタの時代/時間SF「お悔みなさいますな晴姫様、と竹拓衆は言った」(『夏色の想像力』初出、『バットランド』収録)が年刊傑作選にギリギリ入れられそう(60ページ)な分量で最推しの作品である。

バットランド

バットランド

 

 

星新一ショートショートコンテスト出身者として、『異形コレクション』を作り上げた伯爵として、SFファンも決して忘れていない名前ではあるが、それでもやはりホラーのイメージがあるので、今回の条件にあてはまったのは意外だった。該当作は以下。

SFマガジン』2012年 10月号「祝杯を前にして」

『SF宝石』「アフター・バースト」

『SF宝石2015』「伯爵の知らない血族-ヴァンパイア・オムニバス-」

「祝杯を前にして」はブラッドベリ追悼作品、「アフター・バースト」は人工物にとっての死後、「伯爵の知らない血族」はかなり捻った吸血鬼掌編集とやはりホラーとの境界での活躍が見て取れる。中でも「伯爵の知らない血族」に含まれる「ブルー・レディ」は某日本SF作家の代表作を吸血譚にアレンジした作品でSFファンにとって趣深い。「祝杯を前にして」「伯爵の知らない血族」は『夜会』で読むことができる。

夜会 (吸血鬼作品集)

夜会 (吸血鬼作品集)

 

 

基本的には長編型作家だが、当該期間には『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』連作の中編群と、『伊藤計劃トリビュート』収録の「にんげんのくに」、『NOVA+ 屍者たちの帝国』収録の「神の御名は黙して唱えよ」などがある。

ただなんといっても最も重要な作品は、『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』の頭2編、表題作と「はじまりと終わりの世界樹」。大森望が年刊傑作選に収録しなかったことを後悔していることも書いていたので、2010年代日本SFベスト集成に収録される可能性もある。ただし「はじまりと終わりの世界樹」は80ページあるので、入るなら陰謀論亜人排斥の渦巻く改変世界アメリカを描く「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」だろう。

 

テレビっ子でご近所住まいの筒井康隆というか、とにかく独自のワールドを展開する鬼才。90年代にミステリマガジンでデビュー、SFマガジンに主要な活躍の場を移してのちJコレから短編集を出すなどしており、2000年代後半には作品発表がなかったが、2010年以降再始動しており、SFマガジンに以下の3編を掲載。

SFマガジン』2010年10月号「日本怪談全集」

SFマガジン』2011年10月号「卵の私」

SFマガジン』2014年3月号「廿日鼢と人間」

SFマガジン掲載作で好きなのは陰謀とバイオレンスの山城新伍追悼小説「卵の私」かな。2014年には『群像』にも3編の掲載があり(『変愛小説集 日本作家編』に「逆毛のトメ」が再録)、その年にできれば年刊傑作選に入ってほしかったが、最近でも「惑星と口笛ブックス」や『トラベシア』で作品発表を続けている。

 

ライトノベルレーベルデビューで今回の紹介条件(2007年以前デビュー、SF媒体に3編以上)にあてはまる数少ない作家。そして商業SF媒体に発表した短編が全て百合SFという瞠目の経歴を持つ。その作品は以下。

『NOVA7』「リンナチューン」

『NOVA9』「アトラクタの奏でる音楽」

SFマガジン2014年2月号「ナスターシャの遍歴」

この中ではぶっちぎりで「アトラクタの奏でる音楽」を推す。近年の日本の男性SF作家の百合は人死にや破滅や終末系などダークなものが多いが、これは爽やかな近未来京都青春百合である。

NOVA 9 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA 9 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

 

 

日下三蔵編『日本SF全集』最終巻には、秋山瑞人上遠野浩平とともに電撃文庫デビュー勢として収録の予定。上遠野浩平は「製造人間は頭が固い」が年刊傑作選に収録済み。秋山瑞人は当該期間に短編を発表していない。

そして古橋秀之は当該期間、『SFJapan』にショートショート連作「百万光年のちょっと先」を連載していた。「指折り数えて」あたりは入って良かったと思う。2018年刊行の単行本『百万光年のちょっと先』にも書き下ろしあり。『ある日、爆弾がおちてきて【新装版】』書き下ろしの「サイクロトロン回廊」は過去から親戚の「姉ちゃん」がやってくる時間SF。

百万光年のちょっと先 (JUMP j BOOKS)

百万光年のちょっと先 (JUMP j BOOKS)

 

 

 

 

さて――最後にもう一人。

この人がまだ年刊傑作選に収録されていないと気付いた時、私は驚愕した。たぶん牧野修が初収録だと気づいた時の日下三蔵と同じくらいびっくらこいた。『日本SF全集』『日本SF短編50』『ゼロ年代日本SFベスト集成』すべてに作品が収録されており、当該期間、SF短編を頻繁に発表しているにもかかわらず未収録。意外過ぎて大森望日下三蔵も未収録だと気づいていないのではないか。私が本記事を書くきっかけになったのも、このことを編者二人に報せなければという謎の義務感がスタートだった。この作家は当該期間に、早川・河出・光文社の媒体にSF短編を発表しており、それ以外も含めると10本を越える。果たしてこの作家の正体は――?

 

 

 

 

 

 

正解はこの人。

 

 

 

 

 

 

「え、年刊傑作選に普通に入ってたよね?」と思った人は、「嘔吐した宇宙飛行士」が『ゼロ年代日本SFベスト集成』と『日本SF短編50』に入ったことを勘違いしている。または田中哲弥作品と取り違えている。

 

ちなみに90年代以降、SFシーンで強い存在感を示してきたまんがカルテットの収録作は下記の通り。

 

北野勇作「はじめての駅で 観覧車」「ほぼ百字小説」「鰻」

小林泰三「時空争奪」「玩具」

田中哲弥「羊山羊」「夜なのに」

田中啓文 収録無し

牧野修「電波の武者」

 

「カルテットなのに5人いるぞ! 北野勇作はまんがカルテットじゃないだろ!」という鋭いツッコミが入りそうだが、私の脳内ではスムーズにこの5人の名前が出てきて「あれ、一人多い」となりググってようやく間違いに判明したので、せっかくなので並べてみた。あっぱれあっぱれ大卒ポンプ。10年代ベスト集成の北野作品は大卒ポンプを望む。

11冊あって小林泰三が2回きりというのは直感に反するが、牧野修が1本きりってのも気になりますね。「僕がもう死んでいるってことは内緒だよ」(『NOVA7』)とか好きなんですが。

ちなみに、まんがクインテットに広げたとき入ってくるミステリ作家、我孫子武丸も「プロジェクト:シャーロック」が収録されている。

それでは、前置きはこの辺りにして当該期間の田中啓文作品を並べてみよう。今回は可能な限りSFまたは超常要素のある全作品を拾う。Wikipediaよりも詳しいよ。

 

 

『ケータイLIVEDOOR』2007年7月配信「ミミズからの伝言」→『ミミズからの伝言』収録

異形コレクション ひとにぎりの異形』2007年12月「あるいはマンボウでいっぱいの海」→『イルカは笑う』収録

「問題小説」2007年12月号「悟りの化け物」→『逆想コンチェルト 奏の1』収録→『イルカは笑う』収録

『ハナシをノベル!! 花見の巻』2007年11月「真説・七度狐」「時たまご」

『NOVA1』2009年12月「ガラスの地球を救え!」→『イルカは笑う』収録

異形コレクション 喜劇綺劇』2009年12月「地獄の新喜劇」→改題し『地獄八景』収録

SFマガジン」2010年2月号「カッパの王」

異形コレクション 物語のルミナリエ』2011年「まごころを君に」→『イルカは笑う』収録

『怪談実話 FKB 饗宴3』2012年5月「怪(雑)談」書き下ろし

鉄人28号 THE NOVELS』2012年11月「夢のなかの巨人」

「月刊アレ!」2012年12月号「屍者の定食」→『イルカは笑う』収録

『NOVA9』2013年1月「本能寺の大変」→『イルカは笑う』収録

『ナイトランド』6号 2013年「歌姫のくちびる」→『イルカは笑う』収録

『SF宝石』2013年8月「集団自殺と百二十億頭のイノシシ」→『イルカは笑う』収録

人工知能学会誌』2013年11月 Vol. 28 No. 6「みんな俺であれ」→『イルカは笑う』収録

クトゥルーを喚ぶ声』2014年3月「夢の帝国にて」

『宝石ザミステリー2014夏』「怪獣惑星キンゴジ」→『宇宙探偵ノーグレイ』収録

『宝石ザミステリー2014冬』「天国惑星パライゾ」→『宇宙探偵ノーグレイ』収録

『SF宝石2015』「輪廻惑星テンショウ」→『宇宙探偵ノーグレイ』収録

SFマガジン」2015年4月号「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」(星雲賞受賞作)→『多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー

『宝石ザミステリー 2016』「猿の惑星チキュウ」→『宇宙探偵ノーグレイ』収録

『こんなのはじめて』2016年2月「貝を吹く公達」

『地獄八景』2016年9月「地獄八景人情戯」書き下ろし

『地獄八景』2016年9月「地獄八景兵士戯」書き下ろし

『地獄八景』2016年9月「地獄八景科学戯」書き下ろし

『OUT TO LAUNCH』2016年11月 無題?

『主役コンプレックス』2017年10月「やまんばと小僧」

『宇宙探偵ノーグレイ』2017年11月「芝居惑星エンゲッキ」書き下ろし

 

見よこの作品数。

 

(ここには入れていないが)ミステリ作家としての活躍もしながら、ほぼ途切れなくSF/ホラー短編をコンスタントに描き続けている。もちろん100%のホラーであればSFアンソロジーには入れにくくなるのは道理だが、たとえば『クトゥルーを喚ぶ声』収録の「夢の帝国にて」などは、田中啓文×クトゥルー×『楽園の泉』(!)である。この作品は年刊傑作選巻末の推薦リストからも漏れている。

『宇宙探偵ノーグレイ』連作から一本が入っても良かったし、終盤に注釈の形で大量のギャグを詰め込む信長時代伝奇「本能寺の大変」、宇宙人の来訪に備えてイノシシを養殖する「集団自殺と百二十億頭のイノシシ」(最後のギャグが唖然とする)、怪獣図鑑に載せる用の足型をとる仕事「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」などなど入ってもいい作品はたくさんあった。ミミズ養殖発掘あるある大事件小説「ミミズからの伝言」を小川一水「グラスハートが割れないように」と並べて疑似科学対決をしてもよかったし、短さでいうなら星新一リスペクト「地獄八景科学戯」やキイスの名作を落語にした「まごころを君に」やマンボウ養殖落語「あるいはマンボウでいっぱいの海」でもよかった。養殖しまくってるな……。私の最推しは超常現象の謎が意外な形で解かれる「カッパの王」である(ただ最後のギャグだけ元ネタが分からなかった)。当該期間の短編は『イルカは笑う』にある程度おさめられているが、独立短編はもう一冊分くらいある。

イルカは笑う (河出文庫)

イルカは笑う (河出文庫)

 

 

特に大森望日下三蔵田中啓文の作風を忌避している訳でもなく(それぞれ、編者を務める『ゼロ年代日本SFベスト集成』『日本SF全集』『日本SF短編50』に田中啓文作品を収録)、一回一回の偶然が積み重なった結果11年経ってしまったということだろう。ただ、これだけ作品を書き続けて収録が無しというのはもし自分だったらと思うと胃が痛いので、田中啓文作品に限らず、年刊傑作選の読者は編者が見落としていそうな作品を積極的に編者に推した方がいい。個人的なイメージだが、完全な新人の作品は大森望がおさえきっていて、第1・第2世代の作家の作品は日下三蔵がおさえきっている印象があるので、第3世代から07年までのデビュー作家の部分を誰かが見張っているべきではないか。この層は活動範囲がSF誌以外にばらけていつつ発表数も多いので全容を把握しにくいことも要因のひとつだろう。

 

 2018年に田中啓文のSF短編発表は(たぶん)ないので、2019年の田中啓文の活躍と、2020年発売の年刊傑作選への収録を期待する。

 

ストライクウィッチーズオンリーイベント10年史 同人誌即売会の系譜

  • 前置き

ストライクウィッチーズが(TVアニメ放映から)10周年。ストライクウィッチーズオンリーイベントも初開催から10周年となります。

今年の4月には初開催の扶桑オンリーこと「二〇一八 扶桑海の閃光」が名古屋で40サークルを集めました。また、来週の日曜(9月23日)には「戦場の乙女たち23」(陸海空魔合同演習六戦目内、9サークル)とストライクゾーン「パンツじゃないもん!」20(「スーパーヒロインタイム2018秋」内、5サークル)の老舗オンリー2つが東京ビッグサイトで鉢合わせるという珍事も起こる模様。そこで今回はウィッチーズオンリーの歴史を、サークル数と合わせてネット情報からかきあつめてみました。

ちなみに私は今でこそウィッチーズ同人誌に埋もれる生活をしていますが、発進しますっきっかけで2011年にウィッチーズに触れた新参者であり、ストライクウィッチーズの同人誌を買い始めたのは(たぶん)2012年以降なので、それ以前は自分では経験していないものを後からネット情報などのみを見て語っていることになります。

 

  • 主な登場イベント紹介

▲「わたしにできること」

2008年11月(アニメ1期放送終了から2か月後)、日本初のストライクウィッチーズオンリーとして始まったイベント。通称「わたでき」。

第二回以降は複合イベント「アグリゲート」「みみけっと」内のオンリーとして関東で行われ、最盛期には120サークル前後に到達。歴史上最大のウィッチーズオンリーとなった。

「アグリゲート」の消滅後は「みみけっと」内のオンリーとしてのみ続けられたが、(2018年現在)2015年の「わたしにできること」を最後に、現在(2018年9月)まで開催されていない。

 

 

▲「戦場の乙女たち」

2009年3月に第1回開催。通称「戦乙」。「わたでき」「ゾーン」と比較すると初期の参加サークル数は小規模だった。

しかし、母体であるSDFが多数のオンリーを抱えており、艦これオンリーやガルパンオンリーとほぼセットで開催される関係上、東京だけでなく、京都や大阪にも進出。

頻繁に開催されることもあり、結果として現在もっとも歴史が長く実施回数の多いイベントとなっている。9月23日開催で第23回。

 

▲「ストライクゾーン ~パンツじゃないもん!~」

2009年6月、ストライクウィッチーズオンリーとしては「わたでき」に次ぐ二番手の規模で開始された。通称「ゾーン」など。

ごく一部の例外を除き、美少女アニメ等複合オンリー「スーパーヒロインタイム」の一環として春と秋に大田区産業プラザpioで行われてきた。

開催タイミングによっては「わたでき」を超えるサークル数を集めることもあった。9月23日開催で第20回。

 

▲「Witches leave!」

2010年11月に第1回が開催された、関西でのウィッチーズオンリー。大阪で開催された第2回を除き、第1回、第3回、第4回は京都府みやこめっせで開催されている。

第4回が2012年11月に行われ、2013年10月20日に大阪開催予定だった第5回が中止となり、以降、現在(2018年9月)まで開催がなされていない。 

 

▲「SmileWitches」

2011年9月に第1回が開催された、九州のウィッチーズオンリー。北九州市・福岡市で開催された。通称「スマウィ」など。

2015年2月の第5回を最後に、現在(2018年9月)まで開催されていない。

 

▲「ShootingGirls」島田フミカネ氏キャラデザ作品オンリー

2015年5月31日に第1回が開催された「島田フミカネがキャラデザのキャラクターのオンリー」であり、当然他のアニメ・ゲーム作品も含むためウィッチーズオンリーではない。だが、ウィッチーズでの参加サークルが多く、新時代のオンリーの源流となった(たぶん)。通称フミカネオンリー。第1回・第2回が川崎、第三回が川口で開催。

 

 

 

 

2013年からあとくらいのイベントは我が家のどこかに参加した時のカタログがあるはずですが、探すのに時間がかかりそうなので全てWEBで調べた情報です。サークル数については確実そうなものは出店のURLをつけています。手作業を含むので数え間違い等あると思いますのでご了承下さい。

 

★2008年7月~9月 TVアニメ「ストライクウィッチーズ」放映

 

◆2008年11月3日(月・祝)文化の日「わたしにできること」(隙間ジャンル総合イベント 「スキマフェスティバル3」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール  

113サークル

https://web.archive.org/web/20101219160456/http://ketto.com/mimiken/alllist.cgi?181 

 

◆2009年3月20日(金・祝)「戦場の乙女たち」(「東京とびもの学会」と併催)

都立産業貿易センター 浜松町館

42サークル http://www.sdf-event.info/mform/cutfile/c_list_stp.php

 

◆2009年3月29日(日)「わたしにできること2」(耳キャラONLY同人誌即売会みみけっと20」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

120サークル http://strikehole.blog.jp/archives/51473187.html(同人評論ブログ情報)

 

◆2009年6月28日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」

大田区産業プラザPiO2階 小展示ホール 

83サークル http://www.puniket.com/strike/list_strike01.html

 

◆2009年7月20日(月・祝)海の日「わたしにできること3」(オンリー集合イベント「アグリゲート3」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

サークル数不明、72スペースhttps://web.archive.org/web/20090711105616/http://nekote.com:80/kaijyou/PIO090720agg3.pdf

 

◆2009年09月22日(火)「戦場の乙女たち2」(SDF0922内)

都立産業貿易センター 浜松町館 

31サークル http://www.sdf-event.info/0922kata.pdf

 

◆2009年10月04日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」2 (スーパーヒロインタイム2009内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

45サークル http://www.puniket.com/unlock/superheroine_list_02.html

 

◆2009年10月12日(月・祝)体育の日「わたしにできること4」(「みみけっと21」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

サークル数不明

 

※2008年&2009年概況――アニメ1期終了後間もなく、「わたでき」「戦乙」「ゾーン」の3つのオンリーが林立。全て関東圏であり、会場はPiOと都立産業貿易センターの二択、キゃラごとの棲み分け等もない、という三国志時代がいきなり始まる。サークル数で言えば、100以上を集める「わたでき」が抜きんでており「わたでき」>「ゾーン」>「戦乙」の順だった。10月4日と12日に同じ場所で連続して「ゾーン」「わたでき」が開かれるという接触事故めいた事態も起こっている。

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◆2010年4月4日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」3 (梅桃桜~花ざかりの乙女たち 2010内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

22サークル http://www.puniket.com/ums/list_ums2010.html

 

◆2010年4月25日(日)「わたしにできること5」(「みみけっと22」 内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール 

81サークル http://kobocho.seesaa.net/article/147798980.html(個人ブログ情報)

 

◆2010年5月4日(火:祝)「戦場の乙女たち3」(都産祭2010内)

都立産業貿易センター 浜松町館 

32サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so3.php

 

★2010年7月~9月 TVアニメ「ストライクウィッチーズ2」放映

 

◆2010年7月25日(日)「わたしにできること6」(「アグリゲート4」内)

大田区産業プラザPiO1F大展示ホール

61サークルhttps://web.archive.org/web/20101101021824/http://ketto.com/mimiken/hailist.cgi?106,

 

◆2010年9月19日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」4(スーパーヒロインタイム2010秋内)

東京ビッグサイト 東3ホール

30サークル http://www.puniket.com/unlock/sht2010aki_list01.htm 

 

◆2010年10月23日(土)「わたしにできること7」(「みみけっと23」 内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

105サークル http://ketto.com/mimiken/alist2.cgi?122 2010/10/23

 

◆2010年11月14日(日)「Witches leave!」(勧業祭2010内)

京都市勧業館 みやこめっせ

直接参加56サークル、委託参加4サークル(公式かスタッフのtwitter情報)

 

※2010年概況――TVアニメ2期が放送。「戦乙」と「ゾーン」のサークルが拮抗する中、アニメ放送後の「わたでき」がやはり100サークルを超えるなど、最も多くの参加者を集めていた。4月に4日と25日に「ゾーン」「わたでき」が連続するという接触事故がまたも発生。11月には京都で「Witches leave!」が開かれ、初めて関西での開催となった。

 

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◆2011年2月20日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」5(「スーパーヒロインタイム2011春」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

34サークル http://www.puniket.com/unlock/sht2011h_list02.htm 

 

◆2011年3月27日(日)「わたしにできること8」(「みみけっと24」 内)

大田区産業プラザPiO1階大展示ホール?

116サークル http://kobocho.seesaa.net/article/192837700.html(個人ブログ情報)

 

◆2011年5月3日(火・祝)「戦場の乙女たち4」(都産祭2011内) 

都立産業貿易センター 浜松町館

26サークル http://www.sdf-event.jp/not_only_pants/senotu4_clist.htm

 

◆2011年5月22日(日)「Witches leave!2」(「もっと! ColorfulMaster」、「Let'sGoFeverTime!」と併催?)

大阪府 難波御堂筋ホール

サークル数不明

 

◆2011年9月18日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」6(「スーパーヒロインタイム2011秋」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

23サークル? http://2bangai.com/list_sht2011.html 

 

◆2011年9月25日(日)「SmileWitches」(都久志祭2011-秋-内)

福岡県北九州市 西日本総合展示場AIM3階

サークル数不明

 

◆2011年11月3日(木・祝)文化の日 「わたしにできること9」(「みみけっと25」内)

大田区産業プラザPiO1階大展示ホール

87サークル http://ardarim.web.fc2.com/data/mmk25/MapMMK25.html(個人ブログ情報)

 

◆2011年11月20日(日)「Witches' Leave!3」(勧業祭2011内)

京都市勧業館 みやこめっせ

直接参加40+委託2サークル(2ちゃん情報 https://ai.5ch.net/test/read.cgi/comiket/1391609031/

 

 

※2011年概況――アニメ2期と劇場版の間の年だが、3月に116サークルを集めるなど「わたでき」の勢いは衰えず。大阪と京都で「Witches leave!」が行われ、9月には福岡で「SmileWitches」が開かれるなど、8件のオンリーのうち3件までが非関東圏の開催となった。この辺りから、イベントどうしが調整し合っているのか、極端に近い時期・近い場所での開催はなくなる。

 

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◆2012年2月26日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」7(「スーパーヒロインタイム2012春」内)

大田区産業プラザPiO1階 大展示ホール

12サークル http://www.puniket.com/sht/sht2012h_list01.htm

 

◆2012年3月11日(日) 「わたしにできること10」(「みみけっと26」内)

大田区産業プラザPiO2階小展示ホール

88サークル http://ardarim.web.fc2.com/data/mmk26/MapMMK26.html(個人ブログ情報)

 

★2012年3月17日 映画「ストライクウィッチーズ 劇場版」封切

 

◆2012年4月8日(日)「Smile Witches 2」(都久志祭2012-Spring-内)

福岡市 都久志会館

12サークル https://web.archive.org/web/20130710220647/http://www.tsukushi-fes.com:80/tf3_circle/index.html

 

◆2012年5月4日(金・祝)「戦場の乙女たち 5」(都産祭2012内)

東京都立産業貿易センター 浜松町館

23サークル http://www.sdf-event.jp/not_only_pants/senotu_5_s.html

 

◆2012年7月16日(月・祝)海の日 「わたしにできること11」(「アグリゲート6」内)

都立産業貿易センター 浜松町館

サークル数不明、46スペースhttps://web.archive.org/web/20160424202004/http://nekote.com/kaijyou/20120716agg6.pdf 

 

◆2012年8月26日(日)「戦場の乙女たち6」(SDF0826内)

大田区産業プラザPio

19サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so6.php

 

◆2012年9月23日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」8(「スーパーヒロインタイム2012秋」内)

大田区産業プラザPiO 

21サークル http://www.puniket.com/sht/sht2012aki_list02.htm

 

◆2012年11月3日(土・祝)ストライクウィッチーズオンリーイベント「男たちにできること」(スキマフェスティバル7内)

大田区産業プラザPiO

4サークル http://ketto.com/mimiken/hlist.cgi?112

 

◆2012年11月11日(日)「Witches' Leave!4」(勧業祭2012内)

京都市勧業館 みやこめっせ

46サークル https://web.archive.org/web/20130703034601/http://w-leave.info/circle_list.html

 

※2012年概況――劇場版放映の年。合計9回のオンリーがひしめき合っている。「戦乙」「ゾーン」が20前後のサークル数を集める一方、「わたでき」がその数倍の規模という状態が続く。関東圏と違い競合相手がいないためもあろう、京都で開催された「Witches' Leave!」は4回目ながら50近いサークルを集める。「男たちにできること」がどんなイベントだったのかはよくわからない。

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◆2013年3月3日(日) 「わたしにできること12」(「みみけっと28」内)

ベルサール新宿グランド1Fイベントホール

30サークルhttp://ketto.com/mimiken/alist.cgi?117,%82%ED%82%BD%82%B5%82%C9%82%C5%82%AB%82%E9%82%B1%82%C612

 

◆2013年3月3日(日)「Smile Witches3」(都久志祭2013-Spring-内)

福岡市 都久志会館

13サークル https://web.archive.org/web/20130301043951/http://www.tsukushi-fes.com/tf4_circle/index.html 

 

◆2013年3月17日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」9(「スーパーヒロインタイム2013春」内)

大田区産業プラザPiO

59サークル http://www.puniket.com/sht/sht2013haru_lisi02.htm 

 

◆2013年6月2日(日)「戦場の乙女たち7」(サンライズクリエイション内)

サンライズビル東京 

23サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so7.php

 

◆2013年9月22日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」10 (「スーパーヒロインタイム2013秋」内)

大田区産業プラザPiO

23サークル http://ardarim.web.fc2.com/data/sht2013au/MapSHT2013au.html

 

◆2013年10月20日(日)「Witches' Leave!5」(「ガールズ&パンツァーオンリーイベント 少女が戦車でやって来た」「ビビッドレッド・オペレーションオンリーイベント ビビッド・フレンズ」と併催)

アルフィック大阪2階展示ホール

(※開催中止)

 

◆2013年11月17日(日)「戦場の乙女たち8」(PiOスペシャル内)

大田区産業プラザPiO

18サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so8.php

 

※2013年概況――映画とOVAの間の年。「わたでき」が帰属するイベントである「みみけっと」が3月3日のイベント開催を選択。結果として、九州で開催の「Smile Witches3」とバッティングした。Twitter情報を浚うと、九州遠征の方を選択した書き手・買い手も少なくなかったようである。結果として、直後の関東開催「ゾーン」が「わたでき」のサークル数を上回るという前例のない事態が起こる。2018年9月現在、50サークルを超えたオンリーはこのときの「ゾーン」(2013年3月17日)が最後である。この年の「Witches' Leave!5」が中止になって以降、関西メインのストライクウィッチーズオンリーイベントは立ち上がっていない(例外は「戦乙」の関西遠征のみ)。

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◆2014年3月9日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」11(「スーパーヒロインタイム2014春」内)

大田区産業プラザPiO

13サークル http://www.puniket.com/sht/sht2014haru_lisi02.htm

 

◆2014年3月22日(土)「わたしにできること13」(「みみけっと30」内)

大田区産業プラザPiO1階大展示ホール

26サークルhttp://ketto.com/mimiken/alist2.cgi?44,%82%ED%82%BD%82%B5%82%C9%82%C5%82%AB%82%E9%82%B1%82%C613

 

◆2014年3月23日(日)「Smile Witches4」(Comic Stream#03内)

福岡市 福岡国際会議場

7サークル?(twitter情報)

 

◆2014年6月15日(日)「戦場の乙女たち9」(SDF合同開催京都スペシャル内)

京都市勧業館みやこめっせ

16サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so9.php

 

★2014年9月20日(土)「ストライクウィッチーズOVA サン・トロンの雷鳴」劇場公開

 

◆2014年9月23日(火・祝)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」12(「スーパーヒロインタイム2014秋」内)

大田区産業プラザPiO

12サークル  http://www.puniket.com/sht/sht2014aki_lisi02.htm

 

◆2014年9月28日(日)「わたしにできること14」(「みみけっと31」内)

大田区産業プラザPiO1階大展示ホール

15サークルhttp://ketto.com/mimiken/alist2.cgi?62,%82%ED%82%BD%82%B5%82%C9%82%C5%82%AB%82%E9%82%B1%82%C614

 

◆2014年10月13日(月・祝)「戦場の乙女たち10」(サンライズクリエイション2014内)

サンライズビル東京

5サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so10.php

 

※2014年概況――劇場版公開から2年経って新規の映像コンテンツ待ちの年。OVA1巻が9月に劇場公開されたが、ご覧の通りオンリーイベントはそれぞれ公開の3日後・8日後に行われているのでそれをすくいあげるのにはややタイミングが近すぎたか。また、多くのイベントが複合オンリーの一環として行われているため、3月や9・10月など、近いタイミングにイベントが(またも)集中しはじめているのも、参加者にとって困ることが多かったかもしれない。(3月の9日と22日に全く同じ会場で「ゾーン」「わたでき」が開催とか)。

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★2015年1月10日(土)「ストライクウィッチーズOVA エーゲ海の女神」劇場公開

 

◆2015年2月1日(日)「SmileWitches5」(福岡合同祭3内)

福岡県北九州市 西日本総合展示場

3サークル http://webcatalog.pexaces.com/fukuokagodosai3/list-event/e03.html

 

◆2015年3月8日(日)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」13(「スーパーヒロインタイム2015春」内)

大田区産業プラザPiO

27サークル http://www.puniket.com/sht/sht2015haru_list02.htm

 

★2015年5月2日(土)「ストライクウィッチーズOVA アルンヘムの橋」劇場公開

 

◆2015年5月3日(日)「戦場の乙女たち11」(都産祭2015 ふぁいなる内)

東京都立産業貿易センター 浜松町館

4サークル http://tosanmatsuri.sokubaikai.com/cat-11/

 

◆2015年5月31日(日)「ShootingGirls」島田フミカネ氏キャラデザ作品オンリー

川崎市産業振興会館4階

サークル数イベント全体で26?(個人ブログ情報。うちスト魔女のサークル数不明)

 

◆2015年9月21日(月・祝)ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」14(「スーパーヒロインタイム2015秋」内)

大田区産業プラザPiO

10サークル http://www.puniket.com/sht/sht2015aki_list02.htm

 

◆2015年11月3日(火・祝)「戦場の乙女たち12」(サンライズクリエイション2015オータム内)

サンライズビル東京

10サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so12.php

 

◆2015年11月14日(土) 「わたしにできること15」(「みみけっと33」内)

池袋サンシャインシティ 文化会館2階 展示ホールD

6サークルhttp://ketto.com/mimiken/alist2.cgi?124,%82%ED%82%BD%82%C5%82%AB15 

 

※2015年概況――OVA第2巻、第3巻が劇場公開の年。この年の11月を最後に、2018年9月現在まで「わたでき」は開催されていない。九州開催の「SmileWitches」もこの年を最後に2018年9月現在まで行われておらず、本州以外でのウィッチーズオンリーは存在しなくなる。あと1年粘れば九州が聖地のブレイブウィッチーズが放映されていたのだが……。「島田フミカネキャラデザオンリー」として立ち上がった「ShootingGirls」は参加サークルのかなりの割合をスト魔女が占め、次代のウィッチーズオンリーの先駆けとなっていく。

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◆2016年3月6日(日)「戦場の乙女たち13」(SDF合同オンリー内、名称無し?)

京都市勧業館みやこめっせ

16サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so13.php

 

◆2016年3月27日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」15(「スーパーヒロインタイム2016春」内)

大田区産業プラザPiO   

10サークル http://www.puniket.com/sht/sht2016haru_list02.htm

 

◆2016年5月15日(日)「ShootingGirls 2nd」島田フミカネ氏キャラデザ作品オンリー

川崎市産業振興会館 4F

25サークル?(個人ブログ情報)

◆併催 「ガリア貴族の嗜みですわ!」ペリーヌ・クロステルマンオンリー同人誌即売会

15サークル(複数のtwitter情報)

 

◆2016年6月26日(日)「戦場の乙女たち14」(サンライズクリエイション in PiO内)

大田区産業プラザPiO

6サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so14.php

 

◆2016年9月11日(日)「戦場の乙女たち15」(陸海空魔4軍合同演習内)

東京ビッグサイト

5サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so15.php

 

★2016年10月~12月 TVアニメ「ブレイブウィッチーズ」放映

 

◆2016年10月2日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」16(「スーパーヒロインタイム2016秋」内)

大田区産業プラザPiO

9サークル  http://www.puniket.com/sht/sht2016aki_list02.htm

 

※2016年概況――この年の冬に、ブレイブウィッチーズのTVアニメが放映される。「わたでき」が途絶、「戦乙」「ゾーン」がサークル数一ケタもある中、もっとも多くのスト魔女サークルを集めたのは、フミカネキャラデザオンリーである「ShootingGirls 2nd」と初のキャラオンリーであるペリーヌオンリー「ガリア貴族の嗜みですわ!」の合同イベントとなった。特に後者については、「ストライクウィッチーズシリーズ全体」ではなく「テーマを決めたオンリー」の潜在的な力を見せつけ、(たぶん)後続のイベントに大きな影響を与えた。

悩んだ末にリストに入れなかったが、漫画「アフリカの魔女」やガルパンのコミック「リボンの武者」などで知られる野上武志氏のキャラ/作品オンリーイベント「Girl's Operations」はこの年の10月9日に開催されている。

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◆2017年3月5日(日)「戦場の乙女たち16」(SDF京都スペシャル2017内)

京都市勧業館みやこめっせ

19サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_so16.php

 

◆2017年4月2日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」17(「スーパーヒロインタイム2017春」内)

大田区産業プラザPiO

12サークル http://www.puniket.com/sht/sht2017haru_list02.htm

 

◆2017年4月30日(日)「ガリア貴族の嗜みですわ!2」ペリーヌ中心登場初期主人公冷遇系キャラオンリー(※通称「ペリーヌオンリー2」)

京都府 梅小路公園「緑の館」1Fイベント室

11サークル http://amefrefre.wixsite.com/perrineonly/blank

 

◆2017年5月5日(金・祝)「戦場の乙女たち17」(都産祭2017内)

東京都立産業貿易センター 台東館

3サークルhttps://web.archive.org/web/20170728081242/http://tosanmatsuri.com:80/2017/circle-list/

 

★2017年5月13日(土)「ブレイブウィッチーズ ペテルブルグ大戦略」劇場公開

 

◆2017年5月28日(日) 「ダンケシェンフェスト!!」カールスラントキャラオンリー(森峰女学園中心イベント「パンツァー・マルシュ」と併催)

川崎市産業振興会館 4F

36サークル http://www.ev-aso.sakura.ne.jp/dsf/ (「パンツァー・マルシュ」は5サークル)

 

◆2017年9月23日(土・祝)「戦場の乙女たち18」(陸海空魔合同演習2フレンズ内)

東京ビッグサイト

14サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_sno18.php

 

◆2017年10月1日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」18(「スーパーヒロインタイム2017秋」内)

大田区産業プラザPiO

3サークル http://www.puniket.com/sht/sht2017aki_list02.htm 

 

※2017年概況――4月から5月にかけては、「ペテルブルグ大戦略」の公開も含み、イベントが目白押しの期間になった。特に「ペリーヌオンリー2」とカールスラントオンリー「ダンケシェンフェスト!!」はイベント同士の連携や、オンリー内イベント等も相まってサークル数以上の活況を見せた。ペリーヌオンリー2の会場は優雅な日本庭園がセットだった。

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◆2018年2月4日(日)「戦場の乙女たち19」(BS祭内)

東京ビッグサイト

8サークル http://www.bs-fes.com:80/list.html

 

◆2018年2月25日(日)「戦場の乙女たち20」(SDFスペシャル京都2018内)

京都府総合見本市会館 京都パルスプラザ

13サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_sno20.php

 

◆2018年4月1日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」19(「スーパーヒロインタイム2018春」内)

大田区産業プラザPiO

3サークル http://www.puniket.com/sht/sht2018haru_list02.htm

 

◆2018年4月29日(日)「二〇一八 扶桑海の閃光」管野直枝中心扶桑皇国オンリーイベント

名古屋中小企業福祉会館6Fホール

40サークル https://amefrefre.wixsite.com/huso/blank-6

 

◆2018年5月6日(日)「戦場の乙女たち21」(サンライズクリエイション in ビッグサイト Spring 2018内)

東京ビッグサイト

3サークル? サークルリスト発見できず

 

◆2018年5月27日(日)「ShootingGirls 3nd島田フミカネ氏キャラデザ作品オンリー

フレンディア川口4F

25サークルhttp://www.ev-aso.sakura.ne.jp/sg/ ガルパンシュピーゲルとアリスギアが1サークルずつ イベント全体で計28サークル。

 

◆2018年6月24日(日)「戦場の乙女たち22」(SDFトレ祭2×トレ魂4内)

インテックス大阪

6サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_sno22.php

 

◆2018年9月23日(日)「戦場の乙女たち23」(陸海空魔合同演習六戦目内)

東京ビッグサイト

9サークル https://sdf-event.sakura.ne.jp/mform/cutfile/c_list_bs_180923.php

 

◆2018年9月23日(日) ストライクゾーン「パンツじゃないもん!」20(「スーパーヒロインタイム2018秋」内)

東京ビッグサイト

5サークル http://www.puniket.com/sht/sht2018aki_list01.htm 

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※2018年概況――史上初めて名古屋で行われたウィッチーズオンリー「二〇一八 扶桑海の閃光」が、宣伝告知・他イベントとの連携単独などで多方面の努力により40サークルを集める。また、関東圏以外でこの規模のサークル数を集めたのは2012年11月の「Witches' Leave!4」以来6年ぶりである。

「戦乙」の参加サークル数が寂しい時があるが、これは年5回という開催頻度をみれば仕方ないともいえる。「戦乙」を含むオンリーイベント団体「SDF」が艦これ・ガルパン・アズレン・型月・けもフレなどのオンリーも抱えており、複合オンリーの開催回数が増加していることによる。結果として、2013年3月3日以来の、「同日に別のオンリーとバッティング」という現象も生まれている。

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 ◆2019年1月20日(日)「戦場の乙女たち24」

東京ビッグサイト

 

◆2019年3月10日(日)「戦場の乙女たち25」

京都みやこメッセ

 

◆2019年3月? 「ShootingGirls」&「ペリーヌオンリー」関係者が何らかのストライクウィッチーズオンリーを開催予定(twitter情報)

 

……というわけで、ウィッチーズオンリーが開かれたことがあるのは、関東・近畿(京都と大阪)・中部(名古屋で一回のみ)・九州(すべて福岡)地方。中・四国、関東より北では(たぶん)行われていないはず。見落とし等あったら教えて下さい。

 歴史をざっとまとめると、「わたでき」「ゾーン」「戦乙」の三国志時代から最大手の「わたでき」が離脱、「戦乙」「ゾーン」が複合オンリーの一つとして維持されていくなかで、フミカネオンリーを嚆矢にペリーヌオンリー・カールスラントオンリー・扶桑オンリーと、界隈の人(概ね、特定のキャラへのファン活動SNS等で行っている人々)が周到に仕掛けるテーマ別オンリーが新風を吹かせつつあるというのが現在の状況です。今後はさらにテーマ別オンリーが活性化していくのかもしれません。2020年のストライクウィッチーズ3期放映まで、戦線が維持されることを祈って。オンリーがあれば都合がつく限り日本中どこでも買いに行きます。

 

  • 要望とCM

私が好きなのは主に、オヘア×ウルスラ、サーシャ×直枝、姫様×ハイデマリー、エイラ×ペリーヌ、シャーリー×バルクホルンです。もっと増えて下さい。

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